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管理人のDTMユニット:YOSAGYO 1st Full Album『Fall Into The Night』4/30リリース
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カテゴリ: 作曲

こんにちは
久しぶりに音楽理論の記事を書こうと思います。今回はディミニッシュコードについてまとめておこうと思います。
一度使い方を理解できると使いやすいコードですのでぜひ参考にしてみてください。
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ディミニッシュコードとは

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ディミニッシュコードはその名の通り、メジャーでもマイナーでもないコードです。
コード表記ではdimと書かれております。先ほども述べた通りメジャーでもマイナーでもないコードのため、少し特殊な響きを持ったコードトーンです。

dim(ディミニッシュ)コードの構成音

ディミニッシュコードの構成音を説明する前にここで少しおさらいをします。メジャーコードとマイナーコード 、それぞれの構成音はなんだったでしょうか?
  • メジャーコードはルートから長3度、完全5度
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  • マイナーコードはルートから短3度、完全5度
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メジャーコードとマイナーコードの構成音はこれらの音で構成されています。マイナーコードはメジャーコードの長3度を半音下げて短3度にすることで導き出すことができます。完全5度は同じです。
さてここで話をディミニッシュコードに戻します。ではディミニッシュコードの構成音は一体何になるでしょうか?
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  • ディミニッシュコードはルートから短3度、減5度
の構成音です。ルートから短3度で積み上げていくトライアドの形になります。

dim7コードの構成音

さらに5thから短3度を積み重ねたものがdim7になります。
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  • dim7はルートから短3度、減5度、減7度
の構成音です。dim7コードは短3度を積み重ねたコードと考えることができます。
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dim7コードの構成音は全て短3度で積み重ねています。その結果、1オクターブを3音で4等分していると考えられます。
ということは構成音を転回した場合にCをルートにしたdim7コード、D#をルートにしたdim7コード、F#をルートにしたdim7コード、Aをルートにしたdimコード、合計4つのdim7コードが考えられるということになります。Cdim7は構成音がC、D#、F#、A。つまり
  • Cdim7=D#dim7=F#dim7=Adim7
ということになります。これがdim7の最大の特徴になります。
また1オクターブには最大で12音しか存在しないため、残り8つのdim7コードが存在します。
  • C#dim7=Edim7=Gdim7=A#dim
  • Ddim=Fdim=G#dim=Bdim
これらが残りのdim7コードになります。dim7は転回することで4つのコードに変身できるわけです。

1.dimコードの使い方:パッシングディミニッシュ(経過和音)


dimコードはその特殊さ故に使い方も少し癖があります。一番よく使われる使い方はコードの間に経過和音として挟む使い方です。これをパッシングディミニッシュと言います。
例えばF(Ⅳ)⇨G(Ⅴ)⇨Am(Ⅵm)の進行があった場合にここにパッシングディミニッシュを加えてみます。
  • F⇨F#dim⇨G⇨G#dim⇨Am
このようにルートが半音ずつ上がっていく動きになります。

Lisaさんの紅蓮華ではサビの部分でパッシングディミニッシュが使用されています
『誰かのために強くなれるならありがとう悲しみよ』
この『ありがとう悲しみよ』の部分でC⇨D#dim⇨Emの動きでパッシングディミニッシュが使用されています。ぜひどんな響きか聴いてみてください。

2.dimコードの使い方:Ⅴ7の代理コードとして使用する

もう一つの使い方としてV7の代理コードとして使用する方法があります。
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↑G7はG、B、D、Fが構成音
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↑G#dim7はG#、B、D、Fが構成音
このようにG7とG#dim7は構成音がルートのみ半音だけ違う形で響きが似ています。そのためV7のルートを半音上げたdim7に代用するといった使い方です。
先ほども述べていたⅣ⇨Ⅴ7⇨Ⅵmの動きでⅤ7をルートが半音上のdimに置き換えます。僕がよく使うV7の代理コードとしての使い方を紹介します。
  • Fsus2⇨F⇨G#dim7⇨Am9
ⅣとⅥmにsus2や9を加え、Ⅴ7をdim7に置き換えています。
Ⅵm9の前にdim7を置いてやることで不安定さと緊張感が重なり、重厚なコード進行になります。
 
 ↑こちらの動画で(23:50~25:08)でキーは違いますが同じ動きのコード進行で解説しています。

おわりに

いかがでしたか?dimをコード進行に組み込むことで表現力が広がりますのでぜひ使ってみていただきたいです。V7の代理としてdimを使うのは僕もよく使っていますが記事中でも述べている通り、重厚感があるコードの響きになって好んで使っています。
またパッシングディミニッシュはコード進行に挟み込みやすいので曲作りの際に試しに使ってみることをオススメします。
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というわけで今日はこの辺で!ではまた

こんにちは
お久しぶりです。色々と多忙なため記事の更新が遅れております(^_^;)先日久しぶりにオリジナル曲を作りました。

『Night Owl』というオリジナル曲です。
今回はバラード系の曲を作ってみました。本当は一週間ほどで作る予定でしたが諸事情により2日間で作ることになり急ぎ足で作りました(^^;)こちらの曲を作っている時に聴きやすいメロディーラインを作るためのコツがまとまりましたので記事にまとめておこうと思います。
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1.メロディーラインは実際に歌って考える

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聴きやすいメロディーラインを作る上で最も大事なことは実際に歌って考える
ことだと僕は考えています。
DTMの場合、メロディーラインをMIDI入力する時があります。それは仮歌をボーカロイド、またはシンセリードで代用するケースです。
そういった場合にいきなりマウスぽちぽちでメロディーラインを考えるのは絶対に辞めましょう。
初心者にありがちな例としては人が歌うメロディーなのに息継ぎがない、もしくは音数は多すぎるなどが発生することがあります。これでは聴きやすいメロディーラインにはなりません。我々がやっているのはあくまでも音楽であり、MIDIのデータ入力ではありません。
メロディーラインには歌心が必須です。なのでメロディーラインを考える際には自分の口で歌ってみることをオススメします。賃貸であまり大きな声を出せない環境であれば鼻歌でも良いです。

2.煮詰まったら弾き慣れた楽器でもう一度考えてみる

YAMAHA ( ヤマハ ) / PAC612VIIFM IDB エレキギター PACIFICA(パシフィカ)
YAMAHA ( ヤマハ ) / PAC612VIIFM IDB エレキギター PACIFICA(パシフィカ)
「実際に歌って考えてみたけど煮詰まってしまった!」
きっとこのような経験があると思います。
この現象が起きている時はその曲のメロディーラインを歌って考えることの限界値にきている状態ですので一旦別の発想に視点を変えます。
歌ってみてダメなら自分が弾き慣れている楽器でメロディーラインを考えてみましょう。手癖を派生させていったものから良いメロディーラインが生まれることはよくあります。
  • 煮詰まったら一旦同じ方法はやめて視点をずらして考える
これはメロディーラインのみならず曲作りのあらゆる場面で使える発想です。ギターのリフを作る際にも煮詰まった場合には逆に口ずさんで考えれば良いのです。
大事なのは伴奏を聴いて自分が音楽的にどういう風に感じたか?その感じたことを素直にアウトプットしてみましょう。
「でも理論的にはこの音の並びが良い気がする…」このような声も聞こえてきそうですがそんなあなたにはぜひ洋楽を聴いてみてください。日本ほど細かいことを考えていないと感じられるはずです。

3.休符を意識する

初心者にありがちなメロディーラインに休符が少ないというのがあります。音数をたくさん入れたからといってそれが音楽的に心地良いか?というとそういうわけではないのです。
「自分のメロディーラインには落ち着きがない」と感じる場合は休符を意識してみてください。休符を意識するだけでもメロディーラインの聴きやすさが変わってきます。これは先ほども述べていますが休符がないメロディーラインにありがちなのは実際に歌って考えていないものが多いです。息継ぎも休符になりますから実際に歌ってみた時に「歌いにくい!」と感じたならば適度に休符を入れてみましょう。そうするだけでも聴きやすいメロディーラインに近づいていくはずです。

4.ボーカルの音域の最高音を使いすぎない

例えばその曲で歌う女性ボーカルの音域がmid2C hiC(低いド〜高いド)だったとしましょう。
その場合は最高音がhiCになるわけですが曲中で最高音を連発して使うとボーカルの歌声にどうしても歌いにくさが感じられるようなメロディーラインになってしまいます。最高音は歌えるからといって使いまくっても良いわけではないのです。ちなみに最低音に関しても同じように考えておいて良いと僕は考えています。そのため最高音は「ここぞ!」という時に使うことをオススメします。
主軸となるメロディーラインはなるべく最低音と最高音の中間辺りを使うようにすることで聴きやすいメロディーラインになります。

5.メロディーラインはリフレインで聴き手の脳内に刻み込む

メロディーラインを作る上で意識する大事な要素に一度聴いただけでも口ずさめるようなメロディーラインです。それぐらい印象強さがあるメロディーの方が聴きやすいことが多いです。印象強さのためにすることはリフレインです。
初心者の方は「これでもか!」と言わんばかりに何度も同じメロディーラインを曲中で使ってみてください。例えば私が先日作った『Night Owl』では
『なぜまだ繰り返してくの?』
『朝方眠りにつく』
『光が窓から射す』
が印象的なメロディーラインの一つになっています。

1番Bメロ1:02で最初にこのメロディーラインを使っていますが2番では2:32~2:44にかけて二度同じメロディーラインを使っています。
このようにクセのあるメロディーラインはリフレインさせることで聴き手の脳内に刻み込むことになり、一度聴いただけでも口ずさんでしまうような中毒性を与えることができます。
そのためリフレインはメロディーラインの単調さではなく使い方によっては印象強さを与える手法の一つだと考えて良いのです。

おわりに

いかがでしたか?とにかく大事なことはメロディーラインは絶対にただのデータ入力でやらないことです。実際に歌って考えるのが最も大事なことです。今回5つのコツを紹介しました。初心者の方はメロディーラインの考え方に苦戦されている方も多いと思います。悩んだ場合には一度デスクから離れて気分転換がてら散歩しながらメロディーラインを口ずさんでみてください。
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というわけで今日はこの辺で!ではまた

先日、VOCALOIDオリジナル曲で【IA】『ZERO』【オリジナル曲】by YOSAGYOを投稿しました。

こちらの曲はジャンルとしてはボカロックです。これでもかと言わんばかりに重厚なバンドサウンドにしました。この記事ではこの楽曲のアレンジについて解説していこうと思います。

アレンジで一番意識しているのはバランス感

まずはじめに具体的な内容よりも先に述べておきたいことがあります。それはレッスンでもよく質問されることなのですがそれはアレンジで一番何を意識しているか?ということです。
結論を申しますとアレンジで一番意識していることはバランス感です。このバランス感というのは原曲を変えすぎないかつ意外性やドラマチック性を曲に出すために必要な感覚だと僕は考えています。
アレンジはほいほい展開を作りまくってとにかく1番と2番を変えれば良いなんてことではありません。聴き手が落ち着いて聴けるかつ飽きがこない展開を演出するのがセンスの良いアレンジだと考えています。そのために必要な要素として
  • メロディーの規則性
  • 自然とノリやすいリズム
  • 耳馴染みが良いかつ不自然でないコード進行
  • 適度な音色の数
  • 絶妙な変化
大きく分けてこれらが大切だと僕は考えています。特に絶妙な変化は先ほどから述べているバランス感になります。「とにかく展開を変えなきゃ」という一心でごちゃごちゃしたアレンジをしたばっかりに聴いていて落ち着きがない曲になってしまうと聴き手としては1回聴いただけでお腹いっぱいな曲に感じられてしまいます。
かといって使い回しが多い曲にしてしまうと単純に飽きやすい曲になってしまいます。どちらにもならないために僕はアレンジではバランス感を1番大切にしています。

パワーコードはエレキギターの良さを引き出す相性抜群のコードトーン

この曲ではエレキギターならではの良さを全面に出してみました。ギターならではの良さの大きな一つは音の太さや重厚さをサウンドに演出できることです。
この曲ではギターはほぼパワーコードで弾いております。ギターのパワーコードを軽視する人がたまにいますがそういう人はギターという楽器の音色の特性を把握していないと僕は考えています。
例えばピアノにディストーションをかけてパワーコードで演奏したとしたら同じような重厚さをサウンドに演出できるでしょうか?答えとしてはNoです。
その楽器の良さを出すために合ったコードトーンが存在すると僕は考えており、エレキギターの音色の良さを引き出すにはパワーコードとの相性が抜群に良いから今回作ったボカロックでは基本パワーコードを使用しているわけです。
実際に数多くのアーティストもギターロックを作るならばギターはパワーコードにしてしまった方がリードギターのリフや他のリードサウンドの邪魔になりにくいと考える方もいます。
この曲ではもちろん全てパワーコードではなく7thや9th、sus4、転回コードを使用しているシーンも一部あります。

どっしりとした印象のあるシーンではリードギターはオクターブ奏法で存在感を出す


この曲ではリードギターではオクターブ奏法を多めに入れてみました。動画でも解説していますが特に1番Bメロはわかりやすいはずです。
オクターブ奏法は奏法自体も簡単で初心者でもすぐに演奏できますのでオススメです。Bメロでは一回し目でオクターブ奏法、二回し目でアルペジオにしています。どちらも基礎的な演奏能力があれば可能な演奏方法ですがリードサウンドとしては十分な存在感を出してくれます。
特にこの曲のBメロのようなどっしりとした印象のあるシーンでは手数が多いギターフレーズよりもシンプルで存在感のあるフレーズの方が全体的に上手くまとまりやすいことがあります。

ボーカルディレイで浮遊感と印象強さを演出

こちらもBメロのアレンジですがこのシーンではボーカルにディレイを発生させています。
「Day By Day〜」
「今も」
このような歌詞の場面になります。具体的な秒数としては0:47~に当ります。このメロディーライン自体がリフレインしていますがさらにディレイで繰り返して聴かせることで印象強さを与える狙いです。
ちなみにですがエフェクトでディレイさせているわけではありません。ボーカロイドのトラックを一度オーディオに書き出し、再生位置を手動でずらすことでディレイ効果を演出しています。
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プラグインのディレイを使わない理由としてはボーカルの場合だとオートメーションでON/OFFを書いたとしても狙ったディレイ感にならない時や、ディレイ臭さが出てしまう時があるからです。
特にボーカルの場合は躊躇に機械感のあるディレイ臭さが出やすい。それを防ぐために手動ディレイにしています。このようながっつりエフェクトとしてディレイを起こす場合はボーカルなら特に音色的にも手動の方がしっくりくることが多いと感じています。
Cubaseならインプレイスレンダリングとダイレクトオフラインプロセシングを使えば簡単にできます。

サビはシンコペーションを多用してリズムに勢いを出した

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サビのキックは基本シンコペーションをして通常の8ビートよりも勢いを出すように意識しています。

シンコペーションとは何?という方は解説動画を作っていますのでご覧ください。
このようにキックがくって入ることでリズムに前のめりな印象を与えることができます。リズムがどうしても平面的な感じになってしまうという方はぜひ使ってみてください。

アレンジはリズムのノリ方で印象を変える

この曲の大きな特徴の一つとして曲中でリズムのノリ方を変えています。特にわかりやすいシーンとしては2番Aメロ、ラスサビがわかりやすいです。
「アレンジは意外性を出すためにとにかくどこかで転調しなきゃいけない」このような考えで安易に転調をしてしまうことはないでしょうか?個人的には転調は中級者以上のテクニックだと考えていて、作曲初心者が安易に転調をしても意外性よりも違和感の方が勝ってしまうケースがよく見られます。
ちなみに今回の曲では転調は使わずに曲の意外性を演出することを意識しています。アレンジではコードワークと同じくらい大切なのがリズムだと僕は考えています。
わかりやすくストレートに言うならば転調を使わなくともリズムのノリ方を変えてやることでいくらでも意外性やドラマチック性の演出は可能だということです。
作曲初心者はまずはリズムにとにかくこだわれと声を大にして言いたいです。
この曲では2Aでは1Aメロに対して跳ねるリズムに変えています。(1:42~)このシーンはコード進行もメロディーラインも1Aとまるっきり同じですが聴いた感じの印象は1Aと2Aではノリ方が大きく違うはずです。これがリズムのノリ方を変えることで聴き手に意外性を与えるトリックです。
さらにはラスサビに注目して聴いていただきたい。3:27~からの部分ですがここでは一瞬だけラテン系を意識したリズムにノリ方を変えています。縦ノリではなく横ノリに変えているわけです。さらには3:32~ではハイハットを裏打ちにしてリズミカルな印象を与えています。
このようにさりげない細かなリズムのノリ方の違いを加えることで転調を使わずとも飽きさせないアレンジを心がけています。

2Bを思い切って変えてみた

2Bは2:00~になりますが1Bとはコード進行もメロディーラインも思い切ってガラッと変えています。ここでは
陰る僕たちの時間は巻き戻せない(2:01)
嘆くカナリヤを(2:10)
のメロディーラインは同じにしています。
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↑陰る僕たちの~のメロディーライン
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↑嘆くカナリヤを~のメロディーライン
思い切って2Bは1Bと比べて変えていますが聴き手の捉え方によっては展開が増えすぎと感じられてしまいかねません。なので僕のアレンジのバランス感覚としては少々冒険したと言ったところでしょうか。
この2Bではメロディーラインがいわゆる美メロを意識してみたのですがさりげなくピアノも入れることで優雅さや美しさの演出も意識しています。

Cメロでは不安定さと緊張感のあるコードを使用

Cメロにあたる部分(2:44)では
  • A♭→Bdim→Cmin9
というコード進行が登場します。このコード進行は不安定さと緊張感を混ぜ合わせた響きになり、独特な浮遊感が生まれます。A♭とCimn9の間にBdimを入れているのがポイントです。このBdimはパッシングディミニッシュとして使っており、A♭とCmin9を繋ぐ役割をしています。
そしてBdimのものすごく不安定な響きが故にCmin9の緊張感を引き立たせてくれます。まるで高いところから落下するような感覚すら与えてくれます。このコード進行に加え、このシーンではどの楽器も手数を少なめにして浮遊感を演出しています。

曲中に遊びや冒険を入れる

アレンジをする上で最も良くないことが安牌を切り続けることだと考えています。
「アレンジを思い切ってやりすぎて周りから変な曲だと思われたらどうしよう」このような思考で編曲をしてしまっては面白みのある曲は絶対に生まれません。
結果としてどこかで聴いたことがあるような印象に残らない曲を量産してしまいます。そのため僕は意識的に曲中でいわゆる遊びや冒険を入れることにしています。この遊びの部分では例え周りから変だと言われても胸を張り続けることが大事です。
「自分の曲ぐらい自分が主人公でいなくてどうするんだ」それぐらいの尖りがないと音楽などやってられません。今回の曲の具体的な遊びや冒険の部分としては2:26~です。
この部分では僕も初めて試みですがドラム音源とEDMで使うようなサンプル音源を組み合わせた音色にしてみました。
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金物はBFD3。キックとスネア、クラップはサンプル音源と言った組み合わせです。リードサウンドとしてグロウルベースを入れているため、ダブステップの要素をこのシーンでは感じさせたいと言う狙いがあったため、思い切ってみました。
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グロウルベースは主にMASSIVEで作っています。
この遊びや冒険ではもう一つの狙いがあります。それは自分のサウンドを決定づかせるような、いわゆる自分らしいサウンドを根付かせるための試みでもあります。
「あの人らしい音色、フレーズだ」
「あの人といえばこの特徴的な音だ」
などといった自分らしいサウンドを曲中のどこかで感じさせるためでもあります。要は量産型の作曲家にならないための取り組みということです。
初心者は最初はひたすら真似から入れば良いというのは大いに賛成なのですがいつまでもそれをしていては聴き応えのない作曲家になってしまいます。中級者になるタイミングぐらいでこの遊びや冒険を是非とも意識していただきたい。

アコースティックな編成でも良い曲だと思えるかどうかが大事

これは作曲の段階の話に近いですが本当に手応えのある曲はアコースティックな編成でも胸を張れるものになります。
例えばピアノとボーカルだけの状態でも良い曲というのはその美しいメロディーラインやコードワークから自然と聴き込めるものになります。
なのでアレンジに移る前に確認作業としてアコースティックな編成で聴いてみて手応えを感じられるかどうかを意識してみることをオススメします。

ボーカルでクオリティは良くも悪くも全て決まる

楽曲のクオリティの良し悪しを決定する最終材料はボーカルにあると僕は考えています。
どれだけ曲が良くて、どれだけアレンジが良くてもボーカルのクオリティが低ければ全てが台無しになります。それくらいボーカルは責任が重大で楽曲の全てを背負う存在です。
個人的にはカラオケで歌えるレベルはボーカルとは言わないと思っているくらいです。楽曲のクオリティが100の持ち点があるとすればマイナスにするのはボーカルと言えず、本当のボーカルは持ち点の100点から120、もしくは150にするほどの存在だと考えています。
きっちりとした歌を歌うなんてのはボーカルとしてもはや当たり前のことです。ボーカルがアレンジで加わる部分としてはハモリやコーラス、ボーカルエフェクトになります。ボーカルアレンジまでできてこそ真のボーカリスト。
作曲者は空間系エフェクトを入れるタイミングまでしっかり決めることで曲の世界観を作り出します。
例えば2:46の「崩れたビル群の中、僕の声響き渡った」というシーンではその世界観をボーカルで表現するためにホール系のリバーブを加えています。
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↑ホール系のリバーブをエフェクトとして使用した。この場合はインサートで挿している。
このように曲の世界観にあったエフェクトやハモリ、コーラスのアレンジまで意識することで持ち点の100点から最後の+αを決定づけることになるということです。

おわりに

いかがでしたか?今回はボリューミーな内容になりました。今回の楽曲のアレンジで僕が意識したことをかなりこと細く書いたつもりです。
特にバランス感覚というのは常に意識していることで第三者の視点になって冷静にもう一度曲を見直して判断をするというのは日頃からしています。
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というわけで今日はこの辺で!ではまた

こんにちわ
今日はドラムアレンジに重要なシンコペーションについて解説をします。使いこなせるとアレンジの幅が広がりますのでぜひ参考にしてみてください。
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シンコペーションとは

リズムのアクセントととして使用される方法の一つです。
音楽をやっていると食い気味のキックやシンバルといったことを聞いたことはないでしょうか?特にバンド経験者の方はドラマーから「このリズムはキックを食おう」といったやりとりをされた経験があることでしょう。
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基本的な8ビートはこのような形になりますがこれをずっと繰り返しているだけではどうしても物足りなさが出てきてしまいます。
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このリズムに少しひねりを加えるためにキックの位置を小節の頭よりも手間に入れました。それがいわゆる食い気味でキックを入れると言うことです。こうすることでリズムに跳ねるような印象がつきます。

リズムのマンネリ化を防ぐ


ジャンルにもよりますがドラムパターンは基本ずっと同じノリ方で展開されていくと曲のマンネリ化が起きてしまいます。特に近年のアニソンやアイドルソング、ロックバンドの曲はシンコペーションを効果的に使い、リズムに意外性やひねりを加えることで聴き手に飽きが来ないように工夫されています。
意識的にリズムに跳ねた印象を与えたい場合にシンコペーションを使用すると良いです。
もちろんですがドラムがシンコペーションした場合には他の楽器も同様にシンコペーションしましょう。

ドラムアレンジが上達するためにはシンコペーションが重要


ドラムアレンジが上達するためにはシンコペーションが重要です。なぜならばリズムは同じノリ方を繰り返しているだけではどうしても曲全体が平面的な印象が出てしまうからです。
その平面的な印象を打開するためにはノリ方を曲中で変えてやることが大切です。ドラムアレンジでは主にこれを意識してリズムに変化を与えていきます。
  • BPM
  • 拍子
  • リズムパターン
  • フィルイン
これらを上手く操ってアレンジしていきますが跳ねた印象を出すためにシンコペーションが必須ですので上手く使えるように研究しましょう。

シンコペーションが効果的に使用されている曲

シンコペーションが効果的に使用されている曲を紹介します。

LUNA SEAの『ROSIER』ではシンコペーションが多用されています。
イントロ部分がいきなりシンコペーションが多く使用されています。至る所で使用されていますが特にイントロ、サビでは多く使用されていますのでぜひ参考にしてみてください。

Bullet For My Valentineの『The Last Fight』でもシンコペーションが効果的に使用されています。特にAメロの部分で多く使用されています。シンコペーションはこのように前のめりにリズムを取る印象も出せるので曲に勢いが出ます。

おわりに

いかがでしたか?僕の偏見ですがDTMerはコード理論を重点的に学習されている方が多い印象です。
ドラムアレンジが上手くなるだけでも曲の印象が大きく変わりますのでコード理論と同じぐらい大切だと僕は考えています。僕の偏見ですが日本はコード理論重視、海外はリズム重視と感じています。両方の良い部分を吸収できるように僕も日々研究しております。
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というわけで今日はこの辺で!ではまた

こんにちわ
今日はアレンジの基本的なやり方と考え方というテーマで記事を書いていきます。
音楽理論やプラグインの使い方の記事は色々ありますが意外とアレンジについての記事が無いなぁと思いましたので僕なりに解説していこうと思います。今回はアレンジに必要な基本的な4要素を取り上げています。
あくまでも作曲や編曲のやり方は自由と僕は考えているので絶対こうしなければならないというわけでは無いことを予めご理解ください。
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1.一回し目をそのまま使い回さない


わかりやすくサビで例えますが一つ回し目のコード進行やリズムパターンなどをそのまま使い回さないようにしています。例えばですが
  • Dmin⇨B♭⇨C⇨F⇨B♭⇨C
というようなコード進行があった場合にこれをそのまま二回し目でも同じように使用するのではなく変化を持たせます。
  • Dmin9⇨B♭⇨C7⇨F⇨F/E⇨B♭⇨Bdim⇨C
先ほどのコード進行を二回し目でこのように変えてみました。9thコード7thコード、オンコードやディミニッシュコードを追加しています。
Ⅳ⇨Ⅴのコードの移り変わり時にディミニッシュコードを間に入れていますがこれはコードのベース音が上昇するようにつなげる方法でこれをパッシングディミニッシュと言います。
このコード進行は一回し目を基準にコードを変えていきましたがさらにもう少し変えてみます。
  • Dmin9⇨B♭⇨C7⇨Dmin7⇨F⇨F/E⇨B♭⇨A7
このように変更しました。特に最後のA7はノンダイアトニックコードを使っていますがこれはセカンダリードミナントです。
ここで誤解していただきたくないのがあくまでも二回し目のコード進行に意外感を出すためなのでコード進行を複雑化するから良いというわけではないということです。
個人的にはコード進行もメロディー もある程度の規則感と意外性のバランスがアレンジのセンスだと考えています。逆に意外性ばかりを求めた曲になると聴き手が展開が読めずに聴き疲れしてしまうような曲になるので気を付けましょう。

2.リズムパターンに緩急をつける

リズムパターンを変えるだけでも意外性を出すことができます。例えば先ほどはコード進行を二回し目で変えていますが一回し目のコード進行を使い回してリズムパターンは変えるというのもありです。
ここで大事なのがリズムパターンに緩急をつけることです。
同じリズムパターンで曲を進めていくとリズムに緩急が無く、平面的な曲になってしまいます。
もちろんひたすらに狙って同じリズムパターンで進めていくジャンルもありますが近年日本で流行っているアニソンやアイドルソングでは必ずしもリズムパターンに緩急をつけています。
  • 跳ねるようなリズムパターンを入れる
  • シンコペーションを多めに入れてみる
  • 金物をハイハットだけでなくライドも使ってみる
  • 手数を減らす
これらはすぐ試せるものなのでドラムがどうしても単調だなと思ったら試してみてください。
特にシンコペーションを入れるだけでもリズムのノリが変わります。さらに簡単に緩急を出す方法としては極端ですが頭に一発シンバルを入れるだけでも手数が大幅に減って静寂さが曲に出ます。
このように意識的に曲中でリズムに緩急をつけるようにしてみましょう。

3.上物(リード)を入れよう

「作曲はできるけど編曲が上手くいかない…」という方に共通しているのが上物を上手く入れられないということです。僕は演奏する楽器がギターなので上物に特にリードギターを使用することが多いです。他にはシンセサイザーやピアノを使用します。
近年のアンソンやアイドルソング、ロック系のサウンドでは上物にリードギターやシンセサイザーが多用されています。
リードギターでは僕はオクターブ奏法やアルペジオを使用することが多いです。オクターブ奏法は初心者のギタリストでも比較的に演奏しやすい奏法ですのでぜひお試しください。

ここでポイントとしてはリードはボーカルを邪魔しない程度に入れることです。

ONE OK ROCKの完全感覚DreamerではイントロやBメロ、間奏でギターのオクターブ奏法が使用されています。一つの曲は大きく分けてこの4つで構成されています
  • リズム
  • コード
  • メロディー 
  • リード
特にアレンジではリードが非常に重要なポジションになりますので今現在、編曲が上手くいかないという方はリードに重きを置いて考察してみてください。

4.ドラマチックな展開を意識しよう

1つ目でも言っていますがアレンジはとにかく使い回しをしない。これが大きな要素です。使い回しをしないという点でこれまでコード進行やリズムパターンについて述べてきましたが展開やメロディーラインにも言えることです。
しかしここでも理解していただきたいのは複雑化したから良いというわけではないとうことです。規則性と複雑化のバランスがアレンジのセンスだと理解していただきたいです。そして意外性を出すための要素として大きなポイントは展開です。展開においても良い意味で聴き手を裏切ることを意識してみましょう。展開の代表的な例としてはこのようなものがあります。
  • イントロ⇨Aメロ⇨Bメロ⇨サビ⇨2A⇨2B⇨2サビ⇨間奏⇨ラスサビ
この展開に意外性を出していくとこのような例もあります。
  • サビ⇨イントロ⇨Aメロ⇨Bメロ⇨2A⇨Bメロ⇨間奏⇨Cメロ(転調)⇨ラスサビ⇨アウトロ
このように最初からサビを持ってくるというパターンは近年のアニソンではよく見られます。また2サビにいかずに間奏を持ってくるのも良い意味で規則性を裏切っています。
さらには間奏からラスサビにそのままいかずにCメロで持ってきて転調するというのも面白いです。このようにドラマチックな展開を生み出すこともアレンジにおいては大事なポイントだと理解していただきたいです。

おわりに

いかがでしたか?アレンジというテーマで今回は大きく分けて分けて3要素を取り上げてみました。
実際のところこのこの3要素を意識するだけでも編曲初心者の方は効果があると思いますのでぜひお試しください。さらに深掘りした内容はまた別の記事で取り上げていこうと思います。
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