今日はMIXについて記事を書こうと思います。ギターの音にどうしても厚みが出ないという悩みを持っている方はいないでしょうか?特に海外のバンドサウンドを聴く方はギターの分厚さに違いを感じている方も多いと思います。
今回この記事ではその海外のバンドサウンドのような分厚いギターサウンドの作り方を紹介します。
ダブルトラッキングとクアッドトラッキング
まずはギターの音作りの基本であるダブルトラッキングとクアッドトラッキングについておさらいします。基本中の基本ですがギターのバッキングはステレオで聴かせようとする場合には同じバッキングフレーズを2回RECする必要があります。これをダブリング、もしくはダブルトラッキングと言います。
そしてクアッドトラッキングはその倍の数、4回RECをして音を重ねます。
- ダブルトラッキング - 同じバッキングフレーズを2回RECし、パンニングする
- クアッドトラッキング - 同じバッキングフレーズを4回RECし、パンニングする
クアッドトラッキングは4つですのでLRの両方のみならず、さらに立体的な音像が作られます。
↑blessthefall 『Hollow Bodies』
↑Bring Me The Horizon - 『MANTRA』
クアッドトラッキングをした際にはこのような重厚なギターの音の壁が出来上がります。
ダブルトラッキングのパンニング
ダブルトラッキングの場合はバッキングフレーズをステレオで聴かせるわけですからパンニングをLRに振る必要があります。その際のパンニングはLR70~100の間で振るようにしています。
近年のバンドサウンドではパンニングを100で振り切るということが減ってきております。100で振り切った場合にはスピーカーの隅から音が流れます。一見広がりがあるように感じられますが隅すぎるが故に音の分厚さがイマイチ出ないと私は感じております。そのため
- ダブルトラッキングのオススメのパンニングは70~80の間でパンニングです。
クアッドトラッキングのパンニング
クアッドトラッキングの場合は図のようにダブルトラッキングのLR70~100を組み立ててからその間にLR50~80のパンニングでバッキングを入れます。こうすることでまるで音の壁が出来上がります。
ダブルトラッキングとは違った分厚さが出来上がります。まさに分厚い音の壁です。クアッドトラッキングの場合もダブルトラッキングの時と同様にパンニングは100に振り切らないことをオススメします。私のクアッドトラッキングでのパンニングのオススメを紹介します。
- クアッドトラッキングのパンニングは外側(LR70~80)、内側(LR50)の設定です。
実際に私のオリジナル曲でもクアッドトラッキングはこのような設定しています。外側をLR100にするよりも音の分厚さがLR70~80の方が演出ができると感じております。ぜひ参考にしてみてください。
ギターの音に重厚さがイマイチ出ない時の対処法
これらを試した際にどうしても重厚さがイマイチ出ない場合の対象方も重ねて紹介しておきます。具体的な方法として2つあります。- EQでシェルフで全体的に低域を持ち上げてやる
- マルチバンドステレオエンハンサー(Waves/Vitamin等)で低域のパンニングを絞り、さらに低域の倍音を持ち上げてやる
ですのでこの2つを試す際には自分のギターの録りの段階の音作りが甘かったと自覚しましょう。
ギターの音にジューシーさがイマイチ出ない時の対象方
ギターのジューシーさがイマイチ出ない時の対象方を紹介します。この場合はギターアンプの音作りで
- 中域~高域にかけてのブーストが甘い
- ゲイン量が足りなかった
- 低域の広がりを狭めて、中域〜高域にかけて広げる
- 中域〜高域の倍音を付加
おわりに
↑クアッドトラッキングを使ったギターの弾いてみたです
いかがでしたか?このようにギターのサウンドの分厚さを出すためにはダブルトラッキングのみではならずクアッドトラッキングの発想が必要になります。
しかしダブルトラッキングと比べ、RECの量は4つになるわけですから倍のREC数になります。それこそ修行僧の如く黙々とRECをしていくことになります。ギターで音の壁を作るにはそれぐらいの覚悟が必要ということです。
僕はDTMオンラインレッスンをしておりますので興味がある方は もしくは からお気軽にご連絡ください。
というわけで今日はこの辺で!ではまた