今回も歌ってみたのMIXについての記事を書いていきます。
  • 音量調整
  • コンプレッサー
  • EQ
などの調整が終わった後にやることとしてボーカルの歯擦音の調整をします。
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この記事ではディエッサーというエフェクトについて解説していきます。

ボーカルの歯擦音

ボーカルの歯擦音とは日本語の場合は特に
  • さ行(さしすせそ)
に含まれています。

この部分が高帯域に辺りますがコンプレッサーでダイナミクスを調整した際に耳障りになることがあるため、ディエッサーと言うエフェクトを使って聴きやすいボーカルに調整する必要があります。

ディエッサーについて

ディエッサーはボーカルの歯擦音を抑制する際に便利なエフェクトです。
ディエッサーは簡単に言えばEQとコンプレッサーを合わせたモノです。
  • 歯擦音が発生する帯域を特定の音量になった場合を狙って抑制できるエフェクト
もっとわかりやすくいえば
  • 歯擦音がうるさく感じられた時にだけ歯擦音の音量を下げることが可能なエフェクト
と言うことです。

今回はディエッサーの使用用途を歯擦音の抑制にしています。ボーカル以外にも使用することがあります。

ディエッサーでは特に4つのパラメーターを使用します。
  • Filter(歯擦音の抑制するための帯域を設定する)
  • Threshold(歯擦音に対してディエッサーを発生させる音量の基準値)
  • Reduction(歯擦音に対してディエッサーのかかる強さ)
  • Release(歯擦音に対してディエッサーのかかる持続時間)
主にこれら4つを使用してディエッサーを使い歯擦音を抑制します。

ディエッサーで歯擦音を削る


Cubase内蔵のディエッサーでは簡単に歯擦音を抑制できます。

特にスレッショルド値のAUTO機能は初心者に優しい機能です。
AUTO機能は最適なスレッショルド設定を自動的かつ継続的に設定してくれるためスレッショルドの適正値がよくわからないという方にも扱いやく感じられるはずです。

Filterの設定は5K~10K辺りを狙います。特にこの辺が歯擦音を含む傾向があるため

ちなみにDiffを有効にした場合にはディエッサーを使用して取り除かれる歯擦音に再生して確認できます。

リダクションは弱すぎも強すぎも良くないためCubaseのディエッサーのREDUCTの場合4~6ぐらいに設定します。

リリースは歯擦音の発生自体が持続も一瞬でしかないので僕はなるべく早めに設定しています。遅くする必要性がないため

↑スレッショルドを手動で設定した際の解説動画です。
  • スレッショルドはリダクションがどの音量感で発生しているかに注目して決めます
リダクションが起きている状態はスレッショルド値が適切ではありません。

スレッショルド値は上手く設定できかった場合には常にディエッサーが作動してしまうので扱う場合には注意が必要です。

上手に使うコツ:薄っすらかかるぐらいを意識

上手く使うコツを一つ紹介します。それは

  • ディエッサーが歯擦音に対して薄っすらかかるぐらいを意識すること
です。

「めちゃくちゃかかってる!」とわかるぐらいではかけすぎです。これぐらいまでかけると
  • 滑舌が悪くなる
  • 歌詞が聴き取りにくくなる
といったことが発生してしまい、ボーカルの発音全体に悪影響が起きてしまうことがあります。

ディエッサーを使用して発音に不自然さが起きることは絶対に避けてください。

なのでディエッサーは薄っすらかかっているぐらいを念頭に使うことをオススメします。

おわりに

ディエッサーは歯擦音の抑制が目的のため、間違って使用した際にはボーカルの発音が悪くなってしまうことがあるため気をつけて使用しましょう。
上手く使うことができればオケにボーカルが混ざった際に心地良く聴ける音源になります。
スレッショルドのAUTO機能がない場合にはリダクションがどれぐらい起きているのかを確認しながら適正値を探してみてください。
というわけで今日はこの辺で!ではまた