久しぶりに明日使えるコード進行シリーズをやろうと思います。
安定感のあるベースのRECと ダイナミクスの処理方法 (8)
今日は♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰ(マリオ進行)といったコード進行です。
使いやすいコード進行ですのでぜひ使ってみてほしいコード進行です。

はじめに:同主調とは

まずはじめにおさらいとして同主調と言う言葉をご存知でしょうか?このブログで何度か紹介していますが改めて説明しておこうと思います。
  • 同主調とは同じ主音を持つ調のことを指します
「イマイチ言ってる意味がわからない!」と言う方のためにもっと具体的にすると
  • Key=Cの場合はKey=Cm
と言うことになります。
  • Key=CはC・Dm・Em・F・G・Am・Bdim
  • Key=CmはCm・Ddim・E♭・Fm・Gm・A♭・B♭
ちなみにそれぞれのダイアトニックコードはこのようになっています。
これはKey=Cに限った話ではなくどの調にも同主調があります。
今回紹介するコード進行ではこの同主調の知識が必要になります。

モーダルインターチェンジとは

ここでもう一つ予備知識としてお伝えするものがあります。それはモーダルインターチェンジというものです。ここで新たな単語が出てきました。もう少しの辛抱ですがこれもぜひ覚えておいてほしい知識です。
  • モーダルインターチェンジとは主音が同じ別のスケールからコードを借りてくる
といったコード進行のテクニックです。

例えば以前に紹介したサブドミナントマイナーもモーダルインターチェンジになります。

サブドミナントマイナーのコード進行例:C⇨F⇨Fm⇨C(Key=Cの場合)


このサブドミナントマイナーは先ほど説明した同主調のCmスケールからFmを借りてきているということです。
また別の記事で今後紹介しようと思いますがモーダルインターチェンジは同主調のみならず他にもいくつかあります。
それはモードといった考え方になり、説明が長くなってしまいますので今回は割愛させていただきます。

♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰ:クライマックス感が強いコード進行

ではいよいよ本題に移ろうと思います。今回紹介する明日使えるコード進行は
  • ♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰ
といったコード進行です。
Key=Cの場合はAmをA♭へBdimをB♭にしております。まとめると
  • Key=Cの場合はA♭⇨B♭⇨C
といったコード進行になるわけですね。んーなかなかにややこしい^^;

しかも「おい、おいこの♭Ⅵ→♭Ⅶはどこから出てきたコードなんだ?」と感じる方もいるかもしれません。
これは先ほど説明した同主調から借りてきたコードになります。
  • Key=CはC・Dm・Em・F・G・Am・Bdim
  • Key=CmはCm・Ddim・E♭・Fm・Gm・A♭・B♭
このようにA♭とB♭は同主調であるCmから借りてきたコードになります。
ちなみにKey=Cmの平行調はE♭
  • Key=E♭はE♭・Fm・Gm・A♭・B♭・Cm・Ddim
になります。Key=E♭のⅣ(サブドミナント)とV(ドミナント)を借りてきたという考え方もできます。
このコード進行は非常に強い達成感だったりクライマックス感が得られるコード進行になります。

動画では音も確認できますのでぜひ参考にしてみてください。
このコード進行はマリオ信仰とも呼ばれているようです。ゲームのマリオのBGMでこのコード進行が使われていることからきているそうです。

ラスサビで二回し使うとクライマックス感が更に出る


さらにクライマックス感を出すためにはこの♭Ⅵ→♭Ⅶ→Ⅰ(マリオ進行)を繰り返しで二回し使うことをオススメします。
このコード進行の役割はSD(サブドミナント)⇨D(ドミナント)⇨T(トニック)であるため解決感も強いわけです。
コード進行はアレンジとセットで考えることでより深みのある曲になっていきます。
クライマックス感とは別ですが曲のアウトロをフェードアウトで終わらせるというのも切なさを演出する方法の一つです。これは90年代のポップスでよく使われていた手法ですのでこちらもぜひ参考にしてみてください。

おわりに

いかがでしたか?このコード進行はアニソンでもよく使われているのでどこかで聞いたことがあるコード進行だと思います。使いやすいコード進行ですのでぜひ楽曲に組み込んでみてください。
というわけで今日はこの辺で!ではまた