歌ってみたのMIX方法の記事を書こうと思います。
今回は基礎知識のノイズ除去について解説していきます。
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これから自分で歌ってみたのMIXをしていこうと考えている人のためになる記事なれば幸いです。

REC時はなるべくノイズが入らないようにする

そもそもの話ですがMIXの前に録り音はノイズがなるべく入らないようにするのが鉄則です。
ノイズの種類は
  • クリッピングノイズ(音割れ)
  • プチノイズ
  • ホワイトノイズ
  • ポップノイズ
  • 壁からの反射音
  • ハウリング
大きく分けてこれら6つがあります。これらに関してはこちらの記事で原因と解決方法が書いてありますのでぜひチェックしてみてください。

歌ってみたで発生するあるあるな3つのノイズ

歌ってみたで発生するあるあるなノイズは
  • ホワイトノイズ
  • ポップノイズ
  • クリッピングノイズ
の3つです。この記事を見ている方はこれからMIXを始めようとしている方、あるいは既にはじめていてこの3つのノイズに悩まされている方だと思います。歌ってみたは基本宅録でするもので、歌ってみた初心者の人から送られてくるオーディオデータは大体これら3つのノイズが入っているものだと思っておいてください。初心者にいきなりノイズがないクリーンなオーディオデータを送ってもらえることを期待するのは難しいことです。
しかしこれら3つのノイズは除去可能ですのでこの記事でその方法を学んでいってください。

ホワイトノイズを除去する

ホワイトをノイズを除去する方法を紹介します。今回はWavesのZ-Noiseで説明します。
ここで一つノイズ除去において予め頭に入れておいて欲しいことがあります。
ノイズ除去は音質を引き換えにするということです。つまりノイズが多ければ多いほど音質は失われていくと考えておいてください。
  • ノイズ除去=音質を失う
はじめに述べていた録り音はノイズがなるべく入らないようにするのが鉄則というのはそのためです。
ここで話をホワイトノイズを除去する話に戻します。ホワイトノイズは「サーッ!」といったノイズになります。この「サーッ」の部分だけを除去するのがホワイトノイズの除去になります。

WavesのZ-Noiseではノイズ成分を学習させてノイズを除去します。
ポイントはホワイトノイズのみ流れている部分を再生してホワイトノイズのみをZ-Noiseに学習させることです。この方法はiZotope製品のRXシリーズでホワイトノイズを除去する際にも使用します。
大事なのはホワイトノイズをちゃんとサンプリング or Learnさせることです。
慣れてきたからといってLearnさせずに特定の帯域だけを狙ってホワイトノイズを除去しようとするのはやめましょう。
もしこの方法がわからない!という方はWavesのNS1 Noise Suppressorをオススメします。最も直感的な操作でノイズを除去できるプラグインです。

ぜひ導入してみてください。ちなみにですがホワイトノイズは主に高帯域に発生するノイズです。高帯域というのはいわゆる音質のきらびやかさに当たる部分です。高帯域を抑え込んでホワイトノイズを除去するわけですから同時に音質に劣化が起きることにもなるのでそれは頭に入れておきましょう。

ポップノイズを除去する

続いてポップノイズです。歌声に入るノイズでいわゆるパ行などの破裂音です。
これは結構厄介なノイズですが使うプラグインとしてはERA5/Plosive Removeを使います。
 
色々使った結果これが一番操作も簡単なのと効果も自然でした。操作方法はめちゃくちゃ簡単。
真ん中の大きなノブを回して綺麗にポップノイズが軽減されるところで止めるだけ、本当にこれだけです。

クリッピングノイズを除去する

宅録初心者が一番最初にぶち当たるノイズがこのクリッピングノイズです。音割れしたデータが送られてきたエンジニアは「録り直せ!」と言ってしまいそうになるものです。ちなみにプロの現場で音割れデータはご法度レベル
しかし歌ってみたの世界ではこのような音割れしたデータが送られてきてもおかしくはないことです。
無心でクリッピングノイズをなんとかするしかないのです。
さてここでオススメするのはERA 5 DE-CLIPPER。出た!ERA5!!と言う人もいそうですが簡単な操作でノイズ除去したいなら圧倒的にERA5!そして至高のERA5!むしろノイズ除去はERA5無双でも良いぐらいだ!

これも使い方は簡単TYPE1、2をどちらか選ぶだけ。基本的にはTYPE1を使います。細かく操作できる部分はOUT PUTのみ。OUT PUTでピークレベルを超えてしまうと意味がないので赤が付かない程度に調整して使います。
本当にこれだけの操作でクリッピングノイズが除去できてしまうのか…。と心配になってしまうほどの操作感。

AIの力でノイズを除去する:Waves/Clarity Vx Pro


色々なプラグインの紹介とノイズ除去を述べてきましたがWavesのClarity Vx Proがあれば歌ってみたのあらゆるノイズに対応できてしまいます。
これのすごいところがAIの力によってあらゆるノイズですら自然なクオリティで除去してしまうというところ

Clarity Vx Proと下位版のClarity Vxがありますが下位版でも問題なく使えます。こちらも操作方法は真ん中のノブを回すだけ。動画でもありますが
  • エアコン
  • 掃除機
  • 市街地の車の通る
このようなノイズですら自然にノイズを除去しています。このAIのアルゴリズムはどうなってるのか…。

ノイズ除去プラグインについて思うこと

現代ではノイズ除去において簡単な操作でノイズを除去できてしまうものばかりです。この記事でも紹介しているものはワンノブのものばかり。除去方法を解説と言っても
  • ノイズ成分をLearnさせて除去する
  • 真ん中のノブを回すだけ
になってしまいました。
それ以上細かい操作でノイズを除去するとなるとこの記事で説明しきれないほどになりそうなので今回は割愛しております。それにそこまで細かい操作をしたいと考える人もそんなに多くない気もします。
簡単にノイズ成分を消し去ることができるプラグインがたくさんリリースされていますが忘れて欲しくないことは
  • ノイズ除去=音質を劣化せる
  • 録り音の段階でノイズが少ないことに越したことはない
ことだと言うことです。これはRECする側もMIXする側も頭に入れておくべき知識だと思っておりますので念頭に置いて欲しいことです。

おわりに

いかがでしたか?近年ではノイズ除去の方法がだいぶ簡略化されたと感じております。
数年前では「おい!ノイズが入ってるやんけ!録り直した!」みたいな感じでしたがこのようなこともエンジニア側でもはやなんとかしてしまえと言われんばかりのノイズ除去クオリティが手に入る時代になったということなのだと思います。
それでもやっぱり録り音はノイズが少ない状態に越したことはないんですけどね。
というわけで今日はこの辺で!ではまた