ここ最近はマルチマイクでドラムレコーディングをする機会が増えてきました。
セルフでバンドレコーディングに挑戦されてきた方はドラムレコーディングで苦戦されてきた方も多くいるのではないでしょうか?
それもそのはず、ドラムレコーディングはボーカルレコーディングのようにマイク1本ではありません。マルチマイクだからこその難しさがあります。
私も今まで試行錯誤を繰り返し、心が折れそうになったことが何度もありました。
今では自分なりに狙った音が録れるようになりましたので私なりのドラムレコーディングのコツや気づいたことをこの記事で紹介します。 AUDIX ( オーディックス ) / DP5A ドラムマイクセット
AUDIX ( オーディックス ) / DP5A ドラムマイクセット

スネアにマイク2本は必ず使うべし

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良い音でスネアを録りたいならばトップとボトムのマイク2本は鉄則です。私も何度もトップだけにマイクを立ててドラムレコーディングに挑戦しましたがトップだけではスネアらしい質感がうまく出ないんですよね。というのもスネアはスナッピーがあるからこそスネアらしい響きが出るのでその部分をちゃんとマイクで拾ってやらないとしっくりくる音にはなりません。
なのでスネアはトップとボトムの2本をセットで録ると覚えておきましょう。

↑マイキングについてはこちらの記事で解説しています。

キックはバウンダリーマイクで録る

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ドラム音源のマイクにはあまりバウンダリーマイクは登場しませんが実はバウンダリーマイクはキックを録る時のド定番です。安定感と重厚感のある音で録れます。基本は置くだけでOKなのでマイクスタンドも使わなくて良いのでセッティングも簡単です。
キックはバウンダリーマイク一発とビーター側にも別にマイクを立ててやると尚良しです。これもスネア同様に2本で録るのがベターです。仕事でPAの方と機材談義をすることがありますが「キックはバウンダリーマイクを使え」とアドバイスをいただきようやくここにたどり着きました。
今まで色々マイクを試してみましたが今の所はこれが一番しっくりきています。58で試したこともありますがうまい具合にキックの重厚感が録れませんでしたね…。

金物はペンシル型コンデンサーマイクが鉄則

RODE ( ロード ) / NT5 Matched Pair コンデンサーマイク
RODE ( ロード ) / NT5 Matched Pair コンデンサーマイク
金物は基本的にペンシル型コンデンサーマイクで狙うが鉄則です。ハイハットだけダイナミックマイクで録ったことがありますが金物の高帯域のサスティンやきらびやかさがうまく録れません。どれか一つでもペンシル型コンデンサーマイクでなかった場合は必ず違和感が出ます。ハイハットは特に露骨に影響が出るので気をつけましょう。
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マイクの本数に余裕がある場合はライドにもマイクを立ててやると尚良しです。今ではライドにマイクなしは考えられないですね…。

コントロールルームで録り音を確認する

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ドラムレコーディングに慣れていないときにありがちなのがエンジニアがドラマーと同じ部屋に入って録るという状態。これはセルフレコーディングやり始めのあるあるなのですがこれでは録り音の確認が難しいです。さらにはドラムが爆音で叩いてる部屋に長時間一緒にいることになるので疲労も凄まじいものになるので冷静なディレクションができません。
そのため必ずコントロールルームを使用してドラムレコーディングをしましょう。

クリップ式マイクスタンドがあるとセッティングが簡単

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クリップ式のマイクスタンドがあるとセッティングがめちゃくちゃ楽です。かなりセッティングが時短できるのでオススメです。マイキングも楽。欠点としてはたまに間違ってドラマーが叩いて壊れてしまうことがありますが…。

マイクの本数は10~12本がオススメ

BEHRINGER ( ベリンガー ) / ADA8200 ULTRAGAIN DIGITAL ADATコンバーター / 8chマイクプリ
BEHRINGER ( ベリンガー ) / ADA8200 ULTRAGAIN DIGITAL ADATコンバーター / 8chマイクプリ
実際のところスネア2本、キック2本…とこだわっていくとマイクの本数は8本を超えてしまいます。アナログ入力が8ch以上のIFは結構高価だったりするので敷居を高く感じられると思います。そういった場合にオススメするのがIFとマイクプリアンプをオプティカル接続で繋げる方法です。
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STEINBERG ( スタインバーグ ) / UR816C オーディオインターフェイス 32bit/192kHz
STEINBERG ( スタインバーグ ) / UR816C オーディオインターフェイス 32bit/192kHz
私の場合はUR816Cを2台使用。1台をHAモードで使用し、オプティカル接続で16inにしています。やはり16inputもあれば録り音に余裕ができます。
1本でマイキング!とか2本でマイキング!といった話を聞く事はありますが実際のところ、かなりの経験者でもないと少ないマイクの数で狙った音にするのは至難の技です。僕のオススメのマイクの本数は10本~12本です。
  • スネア2本
  • キック2本
  • ハイハット1本
  • タム2本又は3本
  • OH 2本
  • ライド1本
  • ROOM1本
例としてマイクの本数を上げてみました。少ないマイク数よりも多くあったほうが後々自由が効いてくると感じています。先ほども述べましたがスネアは必ずマイクを2本使いましょう。

録りの段階でほぼクオリティが決まる

ギターレコーディングやボーカルレコーディングの時と同様に録りの段階でほぼクオリティが決まります。MIXで音を加工して良くするという考えはあまり賢明ではないと私は考えています。ドラムのMIXに慣れていない人ほどマイクやマイキングにこだわって音を録ることを意識した方が良いと考えています。
録り音は微妙だけどMIXでなんとかしてやる!という淡い期待は持たない方が良いと僕は言い切ります。

おわりに

いかがでしたか?実際に体感してみて大事だなと思う部分をまとめてみました。あまり専門的な知識を詰め込んでも逆に敷居を高く感じられてしまうと思うのでわかりやすい部分をまとめています。
実際に紹介したことを試していただけると何かしら今までと違った手応えを感じられるはずですので参考になると幸いです。というわけで今日はこの辺で!ではまた