2020年2月22日にSHACHIさんがAI歌声合成ソフト「NEUTRINO」を発表し、DTM界隈の中で話題になりました。そして3月7日にMac OS版がリリースされたという情報を知りました。
今までNEUTRINOがWindows環境でしか使えなかったために、使用することを諦めていたのですが
Mac環境でも使用できるとのことでまさに歓喜です。実際にNEUTRINOを使ってAIきりたんに歌ってもらいましたのでざっくりとですがレビューします。

東北きりたんについて

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東北地方を応援するために創作されたキャラクター。東北きりたん。『VOICEROID+ 東北きりたん EX』という音声読み上げソフトもリリースされています。ちなみに中の声優さんは茜屋日海夏さんです。
東北を応援するキャラクターは他に
  • 東北イタコ
  • 東北ずん子
の姉妹が存在しており、三姉妹の末っ子です。可愛らしいアイドル声の小学生です。声質的にはPOPSやアイドルソングに向いています。
僕は普段、ロック系の曲を作っているので激しい曲を歌ってもらいましたが意外とロック系の曲にも合いました。クールというよりは可愛らしさの中にあるエモい歌声!これがまた良い!
↑AIきりたんを使って曲を作ってみましたのでぜひ聴いてみてください。

AIきりたんに歌ってもらった感想


ファーストインプレッションが「ベタ打ちでこのクオリティ!?」と驚きました。人が歌っていると言われても気づかないレベルではないでしょうか。
しゃくりや声の切り方、ビブラート、強弱など自動で調整してくれます。
本当にまるで人が歌っているかのような歌声
です。
若干ピッチの揺れが発生することがあり、気になる場合はピッチ補正をかけてあげるとしっくりくると思います。個人的に満足のいくクオリティでした。
無料でこれほどのクオリティを出すことができるのであればガンガン使っていきたいです。
NEUTRINOはMacの場合はターミナルでプログラムを動かし歌声を出力するスタイルです。
エディターを使用するわけではないのでVOCALOIDに慣れている人は最初、使い方に戸惑うかもしれません。
使い方のざっくりとした流れとしては
  1. DAWでメロのMIDIデータを作成
  2. MuseScore3でMIDIを読み込み、歌詞を打ち込み
  3. musicxmlという拡張子を使用し、NEUTRINOに読み込ませ、AIきりたんの歌声をwavで出力
といった流れです。では実際に具体的な方法を説明していきます。

MuseScore3の使い方

MuseScore3の使い方を説明します。MIDIデータは先に制作されていることを前提とします。
NEUTRINOを使用しAIきりたんに歌ってもらう場合はMuseScore3で行う作業は基本は歌詞の入力です。
  1. MIDIデータをMuseScoreにインポート(ドラッグ&ドロップでOK)
  2. 歌詞の入力
  3. エクスポート(拡張子をmusicxmlにしてNEUTRINOのフォルダ内にあるscore⇨musicxmlにエクスポート)
といった流れです。
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歌詞の入力はMIDIデータをインポート後にメニュバー⇨追加⇨テキスト⇨歌詞で行います。
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エクスポートはメニューバー⇨ファイル⇨エクスポートで行います。
エクスポートする際は拡張子をmusicxmlにしてNEUTRINOのフォルダ内にあるscore⇨musicxmlにエクスポートしてください。
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このような形になれば無事にエクスポートされています。

AIきりたんに歌ってもらう方法

AIきりたんに歌ってもらう方法をまとめておきます。
  1. NEUTRINOフィルダ⇨Run.shをテキストエディターで開く
  2. BASENAME=ex.ボーカル←ここにエクスポートしたmusicxmlのファイル名を入力
  3. ターミナルからNEUTRINOを動かす
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NEUTRINOフォルダ内のRun.shをテキストエディターで開く
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BASENAME=の部分にエクスポートしたファイル名を入力して保存(Command+S)
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ターミナルからNEUTRINOを動かします。
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cd Documents/NEURINOと入力してエンターキーを押します。するとNEUTRINOが動きます。
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sh Run.shと入力しエンターキーを押すと処理が始まります。NEUTRINOフォルダ内のoutputに音声データが入っていれば成功です。

おわりに

実際に使ってみた感想と使い方を述べさせていただきました。とにかく簡単に自然に、そしてリアルに歌ってくれます。これが無料なんて本当にありがたい…。というわけで今日はこの辺で!ではまた。